本当のことを言って何が悪い!!
自分が言ったことは間違えていない!!
そんな話はしょっちゅう聞きます。正しいことを言うことは果たして良いことなのでしょうか??
お前は不細工だな!!
体臭がひどい!!
お前のこと生理的に受け付けない!!
上記3つは全て「本当のこと」です。間違っていません。でも明らかに悪いことです。理由はシンプルで「相手への配慮がないから」だと思います。いかに事実であっても、人を傷つける言葉選びをすることは正しいことではないと考えていました。
拡大解釈かもしれませんが、『本当のことを言って何が悪い』という考えは差別を生む可能性があるものなので、親としては子供には伝えたくない言葉と思っていました。
『肌の色』『出身地』といったものは、事実を言うだけで差別につながるケースがあります。だからこそ『事実を伝えるだけではなく、聞き手への配慮や、差別等の知識を学ぶ必要がある』と子供に伝えたいと考えていました。
中学受験のサポートにおいても同様で、『成績が悪い時』や『勉強をサボる時』などでは正論を強い口調(≒相手への配慮が少ない口調)で言ってしまいがちだと思います。そして親子喧嘩に発展して、後から『自分は間違えたことを言っていない!!』と自己防衛に走ってしまうケースは少なくないように感じていました。
そこで強く意識しないといけないのは
正しいことを言う(×)
正しく伝える(〇)
という事なのではないでしょうか?聞き手の心情を害してしまっては、どんなに正しいことを言ったとしても正しく伝わるはずがないと思います。望む結果は「正しいことを話したという事実を残すこと」ではなく、「正しい状態へと変化させること(勉強に対するモチベーションを上げてもらうこと等)」だと思うのです。
そのためにまず注意をしなくてはいけないのが冒頭に書いた言葉です。「本当のことを言って何が悪い!!」「自分が言ったことは間違えていない!!」と頭によぎってしまった時は黄色信号。その度に「どうすれば正しく伝わるだろう?」と冷静さを取り戻す必要性があると思います(そのテクニックのいくつかはブログ内で紹介する予定です)。
『声掛けの原則①自己肯定感』でも書いた通り、人間は自己肯定感を求める生き物だと思います。そのため「自分の発言は間違えていない!!」と自分の行いを肯定しようとするのは本能に近いものだと思うのです。本能だからこそ意識しないと修正することは難しい。そう思います。
子育てにおいて親の自己肯定感を優先させてしまうと、子供の自己肯定感をなおざりにしてしまう危険性があるのではないでしょうか?だからこそ「正しいことを言うのではなく、正しく伝える努力をする」という信念は非常に大切だと思って受験サポートを行っていました。